『ズートピア2』のシップヤードを飛び出したニックとジュディは、盗まれたケータリングバンを追って街中を走り抜けます。
警察無線の短い報告、運転をめぐるニックとジュディのやり取り、ほかの警察チームから飛んでくる指示など、スピード感のある英語が続く場面です。Sheepshireの街並みや市長の式典には、動物にちなんだ言葉遊びも隠れています。
今回は、この車の追跡シーンから、警察ものによく登場する単語と、日常会話でも使えるフレーズをまとめます。
※この記事には『ズートピア2』序盤の内容が含まれます。作品の台詞全文は掲載せず、英語の意味を知るために必要な短い表現だけを取り上げています。
前のシーンはこちら
シップヤードの潜入捜査に出てくる単語・フレーズを解説
Scene 4|街中を走るカーチェイス
密輸犯が盗んだバンで逃走し、ジュディとニックはシップヤードで借りた車に乗って追跡を始めます。
無線で逃走車の情報を伝えながらSheepshireへ入り、ベテランの警察チームとも合流します。しかし、それぞれの作戦は思うようにいかず、ジュディは走行中のバンへ飛び移ろうとします。
追跡の先では市長が式典を行っており、事故のあとにコンテナから思いがけない手がかりが見つかります。
聞き取りで迷いやすいポイント
Ma’am|女性への丁寧な呼びかけ
「Mayhem」のように聞こえる部分は Ma’am です。
madam を短くした呼び方で、女性に対する「あなた」「奥さま」「女性の上官」に近い丁寧な表現です。この場面では、ジュディが女性の隊長へ返事をしています。
We got him!|あいつはこっちで捕まえる
追っている相手が男性なので、目的語に him が使われています。「あいつは任せろ」「こちらで捕まえる」という勢いのある言い方です。
nubes|新人たち
noob は newbie から生まれた俗語で、「初心者」「新入り」という意味です。相手を少しからかう響きがあるため、かしこまった場面では使いません。
Ebenezer Lynxley|エベネザー・リンクスリー
市長が名前を読み上げる人物は、気象を調整する壁を発明した Ebenezer Lynxley です。
Lynxley には、動物のオオヤマネコを表す lynx が入っています。
Reptile|爬虫類
コンテナの中から爬虫類らしい手がかりを見つけたジュディが、驚きながらつぶやいています。
警察無線に出てくる表現
in pursuit of …|〜を追跡中で
pursuit は「追跡」「追いかけること」です。
in pursuit of+人・車 で「〜を追跡中で」「〜を追って」という意味になります。警察無線やニュースでも耳にする表現です。
例文
The officers are in pursuit of a stolen car.
警察官たちは盗難車を追跡しています。
suspect|容疑者
犯罪を行った疑いのある人物を表します。
名詞では「容疑者」、動詞では「〜ではないかと疑う」という意味になります。名詞と動詞ではアクセントの位置も変わります。
stolen catering van|盗まれたケータリング用のバン
- stolen:盗まれた
- catering:料理や飲み物を会場へ届けるサービス
- van:荷物などを運ぶ箱型の車
stolen は steal の過去分詞です。逃走に使われている車が、もともとケータリング用のバンだったことを伝えています。
heading east|東へ向かっている
head+方向 で「〜の方向へ向かう」という意味です。
警察無線だけでなく、道案内や旅行中の会話でも使えます。
例文
We’re heading north now.
私たちは今、北へ向かっています。
through Sheepshire|Sheepshireを通って
through は、場所の中を通り抜けるイメージです。
- go through a tunnel:トンネルを通る
- drive through the city:街を車で通り抜ける
ここでは、逃走車がSheepshireの中を走っていることを表しています。
Sheepshireに登場する言葉遊び
Sheepshire|ヒツジの街らしい地名
sheep は「ヒツジ」、shire はイギリスの地名などに見られる「州」「地方」を表す言葉です。
2つを合わせた、ヒツジが多く暮らす地区らしい名前になっています。
shear|毛を刈る
shear は、ヒツジの毛などを「刈る」という動詞です。
sheep、shear、毛を使ったセーターショップが続けて映り、街全体が一つの言葉遊びになっています。
a new do|新しい髪型
この場面での do は、くだけた言い方で「髪型」を表します。
hairdo を短くした言葉で、a new do なら「新しい髪型」です。
Beautiful!|すてき!
beautiful は景色や物の「美しい」だけでなく、仕上がりを見て「すてき」「最高」と褒めるときにも使えます。
I’ll have what he’s having.|彼と同じものをください
レストランで、ほかの人が食べている料理を見て「私もあれと同じものをください」と注文するときに使える表現です。
この場面では料理ではなく、偶然できた髪型を見て「自分も同じ髪型にしてほしい」という意味で使われているところが面白いポイントです。
例文
That looks good. I’ll have what she’s having.
おいしそう。私も彼女と同じものにします。
ニックとジュディの運転中の会話
darling|ねえ、君
恋人や夫婦への親しみを込めた呼びかけです。
ニックは大げさで少し芝居がかった話し方をするときに使っていて、追跡中でもいつもの余裕を見せています。
give someone white hairs|心配させて白髪を増やす
直訳すると「人に白い髪を与える」ですが、「心配やストレスで白髪になりそう」という冗談です。
この場面では、ニックに白い毛が付いている映像とも重なり、言葉と見た目の両方で笑える表現になっています。
例文
Your driving is giving me gray hairs.
君の運転のせいで白髪が増えそうだよ。
日常では gray hairs という言い方もよく使われます。
passenger seat|助手席
passenger は「乗客」、passenger seat は運転席ではない「助手席」です。
ニックは単に座席の話をしているだけでなく、これからもジュディが主導して、自分は隣でついていく役になるのかというパートナー関係についても気にしています。
establish sides|どちら側に座るか決める
establish は「確立する」「決めて定着させる」という意味です。
ここでは、いつも同じ側に座るという2人の役割分担を、この追跡で決めてしまうのかというニュアンスです。ニックが話し終える前に、別の警察チームが割り込んできます。
ほかの警察チームからの指示
Back off!|下がれ・手を引け
相手に近づくのをやめさせたり、その場から離れさせたりする強い表現です。
言い方によっては「ほっといて」「口出ししないで」という意味にもなります。
rookie|新人・新米
スポーツ、警察、職場などで、経験の浅い新人を表します。
ニックとジュディは正式な警察官ですが、この時点では新人チームとして扱われています。
Let the real teams handle it.|本物のチームに任せて
let+人+動詞 は「人に〜させる」、handle は「対処する」「引き受ける」です。
handle it は、問題や仕事について「こちらで対処する」「任せて」という意味でよく使われます。
例文
Don’t worry. I can handle it.
心配しないで。私が対処できるよ。
We are a real team.|私たちも本物のチームです
real は「本物の」「正式な」という意味です。
ジュディは、自分たちを経験の浅いコンビとして軽く扱う相手に、正式なパートナーであることをまっすぐ返しています。
shortcut|近道
距離や時間を短くできる道を表します。
パソコンの「ショートカットキー」も、操作を短くするという同じイメージから来ています。
Take the tunnel.|トンネルへ入って
道や交通手段を選ぶとき、take は「〜を使う」「〜を通る」という意味になります。
- take this road:この道を行く
- take the train:電車を使う
- take the tunnel:トンネルを通る
Stand down.|追跡をやめろ・手を引け
警察や軍隊の場面で「行動をやめる」「その場から手を引く」という指示に使われます。
前のシップヤードの場面にも登場した言葉で、今回は別の警察チームがニックとジュディを新人扱いして使っています。
We got him!|あいつは任せろ
この場面の got は、「捕まえた」と完全に逮捕した意味ではなく、「こちらで捕まえられる」「任せておけ」という自信を表しています。
rolling spikes|転がるスパイク
spike は先のとがった針や、車を止めるための道路用スパイクです。
この場面では動物の特徴を利用した作戦になっていて、一般的な警察用語というより作品内のコミカルな指示です。
ジュディがバンへ飛び移ろうとする場面
I’m gonna jump!|飛び移る!
gonna は会話で使われる going to のくだけた発音です。
ここでは単にジャンプするのではなく、走っている車から逃走中のバンへ飛び移ろうとしています。
What are you …?|何をしようとしてるの?
驚いたニックは、最後まで言い切れないままジュディを止めようとします。
完全な形なら What are you doing? や What are you going to do? に近い意味です。映画では、言葉が途中で切れることで慌てた様子が伝わります。
Carrots|ニックがジュディを呼ぶ愛称
ここは単数の carrot ではなく Carrots です。
ニックがジュディを呼ぶときに使う愛称で、危険な行動を止めようとして何度も呼びかけています。
call a partner meeting|パートナー会議を開く
call a meeting は「会議を招集する」「話し合いの場を設ける」という意味です。
ニックは危険な行動に出ようとするジュディへ、今すぐ2人で話し合いたいと少し大げさに伝えています。
例文
We need to call a quick meeting.
短い話し合いを開く必要があります。
市長の式典に出てくる表現
join me in …|一緒に〜してください
join me in+名詞・動名詞 で「私と一緒に〜してください」と参加を促します。
スピーチや式典で使われる、丁寧で少しかしこまった表現です。
a moment of silence|黙とう
亡くなった人をしのび、短い時間、静かに祈ることを表します。
observe a moment of silence という形もよく使われます。
beloved|敬愛されている・愛された
beloved は、多くの人から深く愛され、大切にされていることを表す言葉です。
追悼のスピーチや人物紹介などで見かける、温かく敬意のある表現です。
inventor|発明家
invent は「発明する」、inventor は「発明した人」です。
- invent:発明する
- invention:発明、発明品
- inventor:発明家
weather wall|気候を調整する壁
ズートピアの異なる気候エリアを共存させるための設備です。
ここでは、その発明者をしのぶ式典が開かれていますが、カーチェイスが突然入り込むことで静かな雰囲気が一変します。
Reptile|爬虫類
reptile は、ヘビやトカゲなどの「爬虫類」です。
事件とは関係がないように見えた荷物から爬虫類の痕跡が見つかり、物語が次の謎へ進んでいく大切な一語になっています。
このシーンで登場した表現まとめ
| 英語 | 日本語の意味 |
|---|---|
| in pursuit of … | 〜を追跡中で |
| suspect | 容疑者 |
| stolen catering van | 盗まれたケータリング用のバン |
| heading east | 東へ向かっている |
| through … | 〜を通って |
| I’ll have what he’s having. | 彼と同じものをください |
| give someone white hairs | 人を心配させて白髪を増やす |
| passenger seat | 助手席 |
| Back off! | 下がれ・手を引け |
| handle it | 対処する・引き受ける |
| shortcut | 近道 |
| Take the tunnel. | トンネルを通って |
| Stand down. | 行動をやめろ・手を引け |
| We got him! | あいつは任せろ |
| I’m gonna jump! | 飛び移る! |
| call a meeting | 会議・話し合いを開く |
| a moment of silence | 黙とう |
| beloved | 敬愛されている・愛された |
| reptile | 爬虫類 |
まとめ|追跡の速さと2人の関係が英語にも表れるシーン
車の追跡シーンでは、in pursuit of や suspect のような警察英語と、handle it や shortcut のように普段の会話でも使える言葉がテンポよく続きます。
ニックの「いつも助手席なの?」という冗談や、危険な行動に出るジュディを止めようとする呼びかけからは、事件を追いながら少しずつ見えてくる2人のパートナー関係も感じられます。
Sheepshireの言葉遊び、市長のかしこまったスピーチ、最後に出てくる reptile。雰囲気の違う英語が一つの場面に詰まっているので、気になるフレーズを拾いながら見直すのも楽しそうです。

コメント